022 大島紬のこと


こんばんは 

301号室の『紬(tumugu)』シャンディです 


私は奄美大島紬を使用した小物、雑貨を制作しています

本日は拙いながら自己紹介も兼ねて 

みなさまに大島紬のことをお話させて頂けたらと思います  

私の母の生まれ故郷、鹿児島県奄美大島

大島紬は、奄美大島の特産品  

シルク100%、先染め、手織りで作られたものを大島紬と呼びます

ただし最近では

「先染め、機械織り」、「機械織り、後染め」の大島紬もあるようです 

奄美大島紬は検品され、地球印のシールが貼られます 

上の写真は、母の記念日に祖父から贈られた反物なので、

ちょっと古いマークみたいです 


大島紬が完成されるには膨大な時間がかかります 

シンプルにお伝えすると、


①図案を元に設計図作成

  ↓

②絣(かすり)締め

 ※これが大島紬の特徴です

 模様に合わせて染める部分と染めない部分をつくるため、

 しめばたという締め機でシルクを1本1本、綿で織っていく(防染する)作業

  ↓

③染め(天然染め、化学染料)

  ↓

④織り機に図案通りの柄が来るようにセット

  ↓

⑤たて・よこの柄合わせをしながら織っていく


といった感じになります 



②絣締めと⑤反物にするための織りがあることによって

大島紬は二度織られる、と言われています



③染めの作業での大島紬の特徴は、何といっても泥染めによる『黒』です


テーチ木(シャリンバイ)をチップ状にして抽出される煮汁で

茶褐色になるまで何十回か染め

その後、鉄分豊富な泥田に入れると黒に変わり、色を定着させます

この泥田に付け込むことで、

防虫効果や静電気防止、消臭作用もあるようです


 自然の恩恵を感じます


一度では完全な『黒』にはならないので、この作業を何度か繰り返し、

1週間~10日前後でまっさらなシルクの糸が美しい『黒』となります


大島紬の『黒』は、奄美の土地が生んだ色

化学染料の『黒』では表せない、深みと温かみを感じさせてくれます



私の親戚宅にも織り機がありました

パタンパタンとリズミカルに織り上げられ、

何センチか織っては、柄をあわせる作業を繰り返す

大島紬は軽いのに、温かい

シャリシャリとした風合いも心地よく肌に馴染んでいきます


膨大な時間と手間をかけて作られていく大島紬

高級品です


着物をあまり着なくなった今では、織り子の数も減り、後継者も少なくなり

この世から消滅していく柄や技法が増えていく

世界三大織物のひとつとも評される美しいものなのに・・・



そこで少しでも多くの方にこの大島紬を知って頂けたらと思い、制作を始めました 

大島紬にココロを奪われて、ハサミを入れる時には いつもほどよく緊張します


“よろしくおねがいいたします”


そんな言葉を胸に 


ひとりでも多くの方の手にとって頂けますように 

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